魔女の部屋トップ

【カメレオン日記2014】・・・2014年に書いたものです。
ごゆっくりどうぞ・・・※日記は新しい順になっています |


だれも知らない小さな国
佐藤 さとる・作 村上勉・絵
講談社文庫 \552E
びっくりするほどきれいな、椿の花が咲き美しい泉が湧きでる小山、そこはコロボックルが住む小山である。
1959年に(だれも知らない小さな国)が発表され、「床下の小人たち」が英国で出版され、日本では1956年岩波少年文庫から出ている。
「床下の小人たち」は人間の世界からものを「借りて」くるのを日日の仕事としている彼らの生活は、人間生活に密着しており合わせ鏡のような生活である。
(だれも知らない小さな国)の小人たち」の生活は人間の世話にならず、独立し人目につかないように工夫しながら暮らしている。
昔強欲な人間にひどい目にあわされた過去があるが、いざ自分たちの国の存続が危ういと成ったら、人間の側に自分たちの理解者を持たなければならない、という思いから(セイタカサン)主人公である(ぼく)に姿を見せ、さまざまなアプローチで〈セイタカサン〉の力を借りて見事自分たちの国を守っていくお話で、わくわくしながら読んだ、遠い昔を思い出しながら又楽しく読んでいる。


コロポックル絵物語
有川 浩 作 村上勉・絵
講談社 \1200円
現代版コロポックリ物語で「だれも知らない小さな国」の作者である佐藤さとるさんから有川 浩さんへバトンを渡されたコロポックリ物語である
。絵も同じ村上 勉さんである、じっくりと見比べると微妙に違うなーとこれも楽しみである、村上さんも「だれも知らない小さな国」は丸ペンで描いていたが、今回はやわらかさや暖かさをだすために面相筆で描き直そうと思っていると書いておられる。
(だれも知らない小さな国)は男の子が主人公であるが、現代版コロポックリ物語では女の子が主人公らしい。妄想なら任せてという有川さんがどんな物語を紡いでくれるのか?大変楽しみである。


人間、最後はひとり
吉沢 久子 著
さくら舎 \1400
今年96歳で一人で頑張っていらしゃる彼女の日々が綴られている、いまや日本は世界でもお手本がないという急速な高齢化の時代になり、
健康寿命ということがさかんにいわれ、ぴんぴんころりんと死ぬことが理想とされ、老人は自立をめざし頑張っている。
人生の下り坂をいかに楽しんで生きるか?まさにその秘訣が綴られている。ここまで生きれば後は余命とおもい余命をいかに楽しく生きるか?まず人生の始末をしておく、あとは日々を丁寧に生きるとある。彼女の気力・好奇心はどこから来るのか?本を読んで分かることはどうやら食にあるらしい。丁寧に生きるという意味は毎日の食事を自分で作る、これが大事であると言うことか?


おかげさま で
生きる
矢作直樹 著
幻冬舎 \1000円
東京大学医学部救急医学分野教授という現役のお医者さんが書いた本です。
救急という大変な仕事と思うが、本も書かれるという事に驚く、「人間は常温で20分間、心肺停止状態なら助からないと考えられる、人が社会復活できるくらい,後遺症もなく助かる時間の限界は10分間と言われるその10分間に、生と死の境目があるのです。
しかしながら皆が皆、きっちりと10分間で決着するわけではありません。心肺停止から八分間で亡くなる人もいれば、十二分間が経過しているにもかかわらず戻ってくる「蘇生する」ひともいるこれが命の不思議であり、生と死の境目は誰にもわからない。
生と死の境目は神のみぞ知る、と 神とは摂理・創造主・普遍意識・心理・愛・大いなるもの・自然・大宇宙と受け取り、私たちは(生かされている)ことに感謝したい。
と救急の現場にいる先生はいう又どんな人にも永遠の寿命はない。だからこそ、今を楽しみ、今を生きることだという。現役の医師から聞く(おかげさまという言葉は説得力があり、心が軽くないます。


金子 みすゞ
アーカイブス文庫
大漁
朝焼け小焼けだ
大漁だ
大羽鰮の大漁だ
浜はまつりの ようだけど
海のなかでは 何万の鰮のとむらい
するだろう。
魚をたべてさかなの身に思いをはせたろうか?そうなのだ人間は他の命をたべて生きていることを思い知らされる。
彼女の詩を読んでいると、花の心・空の心・風の心が虫の心が痛いほどわかり、優しくなれる。これほどまでに優しい歌人は26歳という若さで自ら死を選ばなければならなかった、時代があったのだと思うと、自由きままな、今彼女が生きていたらどんな優しい詩を詠うのだろ?寂しい時是非読んで・・・


神も仏もありません
佐野 洋子
ちくま文庫
\580円
山荘で暮らす洋子さんの日々が綴られている。神も仏もありませんと云うからには、洋子さんの辛辣な辛口が書かれていると期待したが・・何んとも幸せな山荘暮らしが綴られ、中でも、こぶしの大木を移植する話は、なんどもなんども読み返して、そのつど心を癒されている。
彼女の友人たちもユニークな人たちだ、地元の人たちにとけこみ、山の自然の移り変わりに心奪われ、春の山を愛し、自分が死んでもこぶしも桜も咲きつづけ、、錦織り成す紅葉も変わらず繰り返すと思うと無念であると記す。
この時期が洋子さんの穏やかで幸せな日々であったように思える。


神様のカルテ
夏川 草介
小学館 \552円
信州にある「二十四時間 365日対応」の病院の医師と患者の心温まる話、今の医療の大変さが分かり、医師はこの本の主人公である栗原一止のような人間であってほしいと思う。
一止の口調が面白い、夏目漱石を思い出す。次は漱石を読もうとおもってしまうほど、魅力的な口調です。また妻であるハルさんも素敵な女性です。
松本の澄んだ大気・患者である安曇さんのやさしさ・上司である先生の思いやり・過酷な現実を暖かな陽だまりのような物語になっている。読み終えて美味しいコーヒーが飲みたいと思う。


僕は46億歳
親子で読む「壮大な地球史カレンダー」
豊田充穂 作・・絵
杉田精司 監修
地球の歴史46億年を1年に当てはめると人類誕生は12月31日夜11時にあたるそうです。
地球の年齢はどうしてわかる?10光年の宇宙空間を大西洋の大きさに例えると、太陽と地球のサイズは?約45億年前地球がちぎれて月が誕生・・約30億年前酸素をつくるシアバクテリア登場・・約20億年前地球が凍結する(スノーボール)・・約2億年前恐竜が1億7千万年間も地球を支配・・人間って素晴らしいですねー何でも解る。地球を知るために、宇宙を調べにいく、探査機はやぶさ2号がつくられている。


死ぬ気 まんまん
佐野 洋子 著
光文社文庫
\500
ネーミングが素晴らしい、息子さんの命名らしい。ガンになり、彼女らしいガンとの戦いが綴られ、そこで出会う人たちとの会話はもうすぐ、旅立つ人たちとは思えず、そんな心境になるまでの心情を思えば、私にはできないなーと嘆けば,修行が足りぬと、どやされそうだ。
又神経科クリニック理事長の対談もあり、死ぬ気まんまんの洋子さんのアッケレカンとした、死にかたの話に答える医師との対談は秀逸です。
何度も読み返して、私も洋子さんのように、死ぬときは死ねばよろしい、と死ぬ気まんまんになりたい、と思う。


私の猫たち許してほしい
佐野 洋子 著
ちくま文庫
\780
彼女の絵本に魅せられている私は彼女のエッセイにも魅せられてしまいました。
彼女とは同じ世代で彼女の生い立ちや日常がオムニバス風に綴られ、私も同じ時代を生きたのだと強く思う。
彼女の知覚力は素晴らしく、引揚船のなかでたべた大根とさばがはいっているおじやの話・・「子供の科学)を読んで「猫はどんなところから落ちてもちゃんとたてる」書いてあるので兄と二人叔母の家のねこで実験する話。
私も遠い昔おなじことをした事をおもいだした。わたしは友達の家に遊びにいき、彼女のねこを二階のベランダから落としたのだ、猫は見事に着地した。でも彼女にばれて絶交を言い渡された。ほろ苦い思いで過ぎ去った時を懐かしんでいる。挿絵も素晴らしい。

ど ぶ が わ
池辺 葵
秋田書店
\619
老眼の身には少しつらい本です。ここは谷底の臭気漂うどぶがわ沿いに住む人たちの今と夢そして幸福度とは?一人の老婆がどぶがわ沿いのベンチにウトウトとまどろみながら空想の翼をひろげている。
彼女は瀟洒な洋館に住む四人姉妹の長女、家政婦が作ったフォアグラのソテーに舌鼓をうつ、なんと幸せそうな表情・・・・
現実の彼女は古いアパートに一人暮らし、夕食はもやしのみ、過去の栄光を懐かしんでいるわけでなく、老いを嘆くでもなく「空想」の今で一日を生きる。
彼女の幸福度は高く老後の幸せはお金ではないといっている。国連の「世界幸福度ランキング2013」でデンマーク1位、アメリカ17位・日本47位である。豊かであること自体ストレスの要因だといっている。(幸せ)って難しい。


長生きしたけりゃ
ふ く ら は ぎ を
も み な さ い
槇 孝子 著
鬼木 豊 監修者
\ 110円
帯に もむだけで、最強の健康法!とある。人間の体が老化するのは、年をとるに従って新陳代謝がおとろえ、体内で作られる水の量が減るから新生児の時に80%あった水分が成人には60%に高齢になると50%となり、シワ・たるみとなる。
人間の下半身には血液の70%が集中している。(第二の心臓)といわれる、ふくらはぎをよくもむことで、この筋肉が活発に収縮し、下半身に降りてくる血液をたゆまず上に押し上げて、心臓に戻す上方向へのポンプとして働いている。
「上半身の血流は心臓が、下半身の血流はふくらはぎが担う」・・とある。下半身に集まっている血液を心臓に戻す手伝いをしなければ、と思う。ときどき読み返して忘れないことですね。


絵本屋の日曜日
落合 恵子 著
岩波書店 \1800
子供の本の専門店「クレヨンハウス」を開いている著者の落合さんの折々の思いをつづっていきながら、100冊の絵本を紹介しています。さすが絵本の目利きが紹介する絵本・子供の時に出会いたかったな―と思う絵本ばかりです。
100冊の絵本の中何冊読んだ?何冊知っている?これから図書館にいきましょう、この100冊読破するぞーと誓う。


変形性膝関節症
正しい治療がわかる本
聖路加国際病院整形外科医長
黒田 英史 著
法研 \ 1400
多くの女性が苦しんでいる、病である。私自身もっと早くにこの本に出会えていたらと悔しい思いです.
初期の治療・中期の治療・進行期の治療計画 と大変わかりやすく、帯にも書いてあるように、読むセカンドオピニオンです。
進行期の手術選択のポイントなど、・膝の痛みとの付き合い方・痛みに効く「運動」が多数紹介されている。この運動をして,
だめなら手術も視野にいれようと前向きになれた本です。

猫語の教科書
ポール・ギャリコ
灰島 かり 訳
犬派?猫派?私は、どちらかといえば犬派ですが、猫派の方が多いようですねーなんとギャリコが猫好きとは・・それも大変なものです、猫になりきっています。
人間の家を乗っ取る方法・人間ってどいう生き物?・魅惑の表情をつくる法・親猫は子猫が独立するまえに徹底的 に教え込むという。 人間から見ている猫のあの愛らしさは、実は猫が計算した人間えのアプローチであり、人間を乗っ取るための作戦だという。なんと恐ろしいこと・・でもそうかも?とおもえる。猫派のみなさん ぜひ一読を・・

盆栽 えほん 大野 八生 作
「和」の心を楽しく学ぶ
ボンサイ入門 絵本
盆栽は年寄りの趣味と思っていたが、この頃小さなものに心ひかれる。年をとったということか?
本屋さんで出会って買ってかえる。これから の趣味はミニ盆栽だーと意気ごみ、どうせするにはミニ鉢も作りたいと、これからの目標ができたおもいで、一人ワクワクしている。
★ 盆栽の種類 / 樹形のいろいろ / イメージ作りのヒント / 必要な道具 / 盆栽のための土・肥料の作り方 / 苗の選び方 / 苔の楽しみ方 / 春夏秋冬の手入れの仕方 / 盆栽のの飾り方 / 盆栽の素材図鑑
この一冊で盆栽が楽しめると、あります。出来ましたら、見て頂きます。


独居老人スタイル
都築 響一
筑摩書房
¥2700
日本全国に一人で住む老人を紹介した本である、アーチスト・スナックママ・画家・流し・漫画家・道化師・民謡歌手・なんと素晴らしい人たちだろう。ひとつのことを生涯かけて極めるとは・・凛として老いるのだと、背中をたたかれたおもいです。
何年かしたら確実に独居老人となる我が身にこの本は心配するな・成るようになると元気をくれる本です。
独居老人=哀れな晩年?いわれなき偏見をぶち壊す大先輩たちがひとりで生きて、なにが悪い!とあえて空気をよまずわが道を行く、老人達です。、圧巻は「首くくりアクショニスト」どう説明したらいいのだろう?老後に憂いのある人ぜひ一読を・・

ライオンキング
大阪四季劇場
お正月気分のぬけない劇場は華やかでウキウキした人たちでいっぱいだ。やっと取れたチケットで私自身もウキウキです。「ライオン キング」はディズニーのアニメ映画で子どもたちと良く見たもので、アニメの舞台化で、アニメと舞台の違いが楽しみです。
   
多くの動物をどう表現するのだろう?やりましたねー動物のマスクと人間の顔をならべてみせ、マスクや人形で動物を表現し、人間の顔で感情をあらわす文楽を思い出しますね。
大変楽しい舞台です、四季の魅力はなんだろう?スターがいないこと?作品主義で売れれば売り続ける、ロングランとなる。
ミュージカル「ライオン キング」も日本公演が15年を迎えるそうだ、そして無期限ロングランを続けている。もう一度観たい舞台です。

おじいちゃんが
おばけになったわけ
作 キム・フォップス・オーカソン
絵 エヴァ・エリクソン
訳 菱木 晃子
ある日おじいちゃんが突然亡くなります。仲良しだったエリックは悲しみのあまりおじいちゃんはどうなったか?大人にききますが・・おかあさんはじいじは天国にいって天使になるという、またお父さんはじイじいは「土』になるという。
でも夜になってじいじが帰ってきたのです。忘れ物があるという、命の大切さ・家族の絆・愛とは?死を扱った話なのになんと明るく、最後は泣かせるお話です。安心してプレゼントできる絵本です。


月の満ちかけ絵本
大枝史郎・文 佐籐みき・絵
あすなろ書房 ¥1200円
月や子どもを描いた絵がほのぼのと美しい絵本です。解説はかなり本格的です。
人が三日月に願いを託し、夜空で少しずつ形を変えていく月を立待月・有明の月と奥ゆかしい名で呼び「月待ち」の祭りを楽しみ、
月と関わって暮らしてきた事がわかる、また新月から三日月、満月を経て再び新月へとめぐるサイクルがよく分かる。
[☆月は、地球の約4分の1の大きさ
☆月と地球の距離は、だいだい地球30個分
☆新月からつぎの新月までの周期は、29日12時間44分
☆一晩中見えるのは、満月だけ
☆古代ローマには、「月の番人」がいた
☆ドイツでは、月にいるのはウサギではなく、薪をかつぐ男]
公転周期や月食など、科学的知識も満載です。これは大人の絵本です。


(左:2013年元旦、右:2014年元旦、 撮影)
今年はくもりで日の出は雲の向こうにあり残念でしたが、風景が変わりました。毎年同じテラスから日の出を撮影しているが、去年は左手にビルのクレーンがありましたが、今年は29階の高いビルが完成している。時は流れていきます。
魔女の部屋トップ
|