魔女の部屋トップ

【カメレオン日記2011】・・・2011年に書いたものです。
ごゆっくりどうぞ・・・※日記は新しい順になっています |


ガレとドーム 展
四季の花
美術館「えき」京都
北澤美術館所蔵のガラス・コレクション展がひらかれている。街はクリスマスムードでいっぱいだ。美術館「えき」はデパートの中にあるため、買い物客でもある、主婦でいっぱいだ。
世紀末の芸術潮流「アール・ヌーヴォー」を代表する工芸家がガレとドーム兄弟でガレは自然の花々や生き物たちの命の煌めきをガラスに託し1889年と1900年のパリ万博でグランプリを受賞。工芸を芸術に高めた。
また良きライバルであったドーム兄弟の愛らしく、細やかな美しい花瓶・スタンド・これがガラス?どおして創るのだろ?とおもわず、目をこらしてしまう。ガレは花々を観察するため、広大な農園をもち、自ら花を育てたという。


魔法をすてたマジョリン
劇団四季 ファミリーミュージカル
魔女のマジョリンは123歳、でも魔女の世界ではまだ小学生、ある日、子供が行ってはいけない魔女の夜祭をこっそり、のぞきにいき、見つかってしまいます。でも魔女の検定試験に合格すれば、許されるという。
ばあやのカラスのブツクサスと猛勉強をはじめます。魔女の世界では仲良しという心はご法度で魔法で人間たちを困らせることがいい魔女で、マジョリンも人間たちの村にいき「一日一悪」で村の人たちを困らせていきます。
でも、魔法のせいで、うたがいをかけられた旅人の身代わりになろうとする人間がいる。その青年の名はダビット。こころやさしい、青年です。マジョリンの心はみだれます。
どうする?マジョリン!!
劇場に入るための赤いじゅうたんをふみながら、さー夢の世界へ・・胸がドキドキです。白い運動着に赤い帽子をかぶった子どもたちがいます。場内はこどもと付添のママと半々です。
魔法を使ったり、空を飛んだり、ドキドキ、ハラハラのたのしい、ミュージカルです。思いやる心、愛することの大切さが舞台からあふれてきます。マジョリンが魔法をすてるわけは?ぜひ劇場へ・・
 


尖閣列島
緑間 栄 著
おきなわ文庫
東シナ海に豆粒のように浮かぶ尖閣列島は、沖縄と台湾、中国大陸 とほとんど同じ距離にあり、(八重山群島の北約175キロメートル、台湾の北東190キロメートル)最大の島が魚釣島・南小島・北小島・黄尾嶼・赤尾島嶼・の五つの無人島からなっている。
昔から南島の人々は、これらの島をイグンクバシマと呼び長年にわたって生活の場としてきた。古くは琉球と中国との冊封進貢の海上の道すじにあたり、その頃灯台のなかったため、島を目印に灯台の役目としていた。
この海域に豊富な石油資源があることが公表されてから、台湾、中国、日本との間に領有権問題が起こっている。人間の欲望がうずまくとき、歴史が動くとき、小さな小さな島、沖縄「琉球」は苦しむ。日本は本当の歴史を子供たちに教えるべきだと、思う。大人も若者も是非読んでほしい。


フレデリック
レオ=レオニ 谷川俊太郎 訳
ちょっと かわった のねずみの はなし
フレデリックは、一見何もできない、ぼんやりしたねずみで、みんなが来る冬のために、せっせと食べるものを集めているときでも、かれは遠くを眺めている。
でも彼には素晴らしい豊かな想像力があって、それがみんなを助ける力になる。
心の持ち方で、同じ境遇もまるでちがって、見える。想像力は生きる力になり、それぞれが自分のできる役割を果たすことが大事なんだよ、とこの絵本は教えているようにおもいます。
どうしたの?元気だして、あなたにしか、できないことが、あるんだよ。


どうぶつのおやこ
木村 しゅうじ 絵文
地球上には約200万種の生物が暮らしている。
そのうち5000種ともいわれる、けものは、私たち人類と同じ哺乳類で、子供はお母さんのおなかから生まれ、(胎生)、お乳をのんで育つ。
鹿・ねこ・しまりす・おおかみ・たぬき・さる・パンダ・にほんかもしか・いのしし・子供たちが生まれて離乳するまで・そして自立するまで、親はこまめに世話し、命がけで守る・・そんな姿が画ががれている。
パンダはオッパイが胸にあるので、人間とおなじように「だっこ」してオッパイをのませる。その姿、なんとも愛らしいですね・・作者の慈愛に満ちた目を感じる。若いおかあさん、これからおかあさんになる、あなたに是非読んでほしい絵本です。


島田ゆかり & ユリア・ヴォリ
絵本原画展
ーバムとケロ、ぶた(SIKA)の世界
京都「えき」美術館で開かれている。美術館は百貨店の中にあり、また夏休みでもあり、若いママと子供たち であふれている。
彼らの画の見方にまず驚く。細かく見て すみっこに描かれた小さな虫にまで かわいいと感嘆の声がとぶ。絵本入門者のわたしには、驚くことばかりである。
この絵本は今、子供たちに人気ナンバーワンだそうです。
作者の島田さんは10年前からカナダに住み、創作活動をしているという、カナダのアトリエや彼女の好きなフィンランドのユリア・ヴォリさんを訪ねた、写真や小さな可愛い人形たち。
ぶたの愛らしい日常を鮮やかなコマ絵で描いた(ぶた)動物を擬人化した日常は本当に楽しく、子供たちの目の輝きにおもわず楽しくなる。


ブンとフン
井上 ひさし 作
新潮文庫 ¥ 400
井上 ひさしさんが亡くなった。本当に残念です。ブンとフンは彼の処女作だという。
ブンとは何者?ブンとは時間をこえ、神出鬼没、やること奇抜、なにひとつ不可能はなく・・・というフン先生が書いた小説の主人公、
四次元の大泥棒が小説の中から、飛び出して、全世界に奇怪な事件が起こる。ナンセンスだが痛烈な風刺を感じる
。彼が生きていたら今の日本をどんな風に、笑うのだろうか?と空想しながら、うちわ片手に一読を・・・


ホビットの冒険 上・下
J.R.R.トールキン作
ファンタジーは豊かな空想力をもって、この世ならぬ不思議な世界で想像を絶する物語が語られる。
お話の舞台は、何万年かしれない大昔の、ようやく人間族が地上にあらわれて、妖精たちも野や山にくらし、さまざまな小人たちが地中に住居をきずいて、魔法がおこなわれ、妖精時代と人間時代のあいだの、小さな小人族の冒険物語です。
小人族には、白雪姫にでてくる「ドワーフ族」 ガリバーにでてくる「、リリバット族」 「ゴブリン族」 「ホピっト族のビルボ・バキンズの冒険物語で、冒険の目的は、ドワーフの父祖の、竜に奪われた宝物を取り戻すことです。
行く先々で出会う、エルフであり・トロル・ビヨルン・ハエ・クモ・ワシ・オオカミそして竜・・ゴクリとの死をかけたなぞなぞ・ここでビルボは、はめると姿が透明になる指輪を手にいれるのです。あの指輪物語えとつながる指輪です。そこでなぞなぞを一つ。
どんなものでも 食べつくす、
鳥も、獣も、木も、草も。
鉄も、巌も、かみくだき、
勇士を殺し、町をほろぼし、
高い山さえ、ちりとなす。 《答えは???》子供も大人も楽しんで・・


タンゲ くん
片山 健 作
福音館書店 ¥1200円
私のHPを見た、友人が100万回生きたねこが好きなら、これはわたしの大好きな絵本とプレゼントしてくれる。
丹下左善のような片目に大きな傷のあるねこ なんとも懐かし絵、遠い昔を思い出す・おもわずこの作者の年齢は?とみてしまう。一ページのおとうさん・おかあさん・おねえちゃんとわたしの食卓の場面は昭和への想いを湧き立たせる絵だ。友人が好きだという意味がわかった気がする。あの頃はネコも人間もやさしかった。いつのころから、自己中心の人間になったのだろう?心がやさしくなる絵本です。心がささくれた時、読みましょう。


100万回生きたねこ
佐野洋子 作 ・ 絵
佐野 洋子さんのエッセーは好きでよく読んでいましたが・・絵本は初めて読む・・100万回も生まれ変わり、生き返るたびにさまざまな人間に飼われた黒いシマシマのねこ。
飼い主たちは、ねこが死ぬと泣きましたが、ねこは一度も泣きませんでした。そんな彼が、誰のねこでもない、のらねこに生まれ変わり、白い美しい、ねこ、に恋をします。
はじめて自分よりも大切な存在に出会ったねこは、愛する白い猫を失ってはじめて、大粒の涙をながします。大人になって読みましたが・・幸福な生とは・・幸福な死とは・・もっと早くこの絵本に出会っていたら・・とくやまれます。


春日局
杉本 苑子 著
集英社 ¥514円
2011年のNHK大河ドラマの[江]のライバルの波瀾の物語である。テレビドラマでは江のお付きとして江戸城に上り、乳母となっていくのだが・・本では自分で売り込んでいく、積極的な女性である。
選ばれて江戸に上る時には、夫の最愛の側女を刺し殺して行く。なんとも気の強い女性である。
将軍徳川秀忠の長男・竹千代の乳母として、次男・国松のほうを溺愛する、お江与の方(江)と激しく対立、劣勢をはねのけ竹千代を三代将軍に上げ、自身も春日局としての波瀾に満ちた生涯のお話です。
この本を読んでテレビドラマを見る。おすすめです。


テンペスト 1〜4
池上 永一
角川文庫 ¥590円
舞台は19世紀 の琉球王朝、首里城に勤務するには厳しい試験「科試」に合格しなければならない、しかも男だけの世界、真鶴は父の命に従い、宦官となり、名を孫寧温と改め、男として13歳の若さで難関の科試を突破する。
憧れの首里城に上り、いきなり高級官僚に抜擢されて、大奥の財政に大改革に腕をふるう。
男と女・二つの人格のあいだを揺れる琉球ロマン物語です。
当時の琉球王国の国情は、薩摩と清国の二重支配のジレンマに苦しんでいた。武器をもたず、[美]と[教養]に特化した政策をうちだし、芸術外交を行いました。現在の琉球舞踊・紅型・漆器・料理にいきずいている。今の日本に似ていませんか?アメリカと中国の大国の間で揺れている日本。
今沖縄は尖閣諸島の問題や普天間問題など歴史の中で揺れているが・・沖縄の歴史・心を理解するために、このファンタジーは入門書だと思う。ぜひ一読を・・・


僕とおじいちゃんと
魔法の搭 1・2
香月 日輪 箸
角川文庫 \438円
岬にたたずむお化け屋敷のような不思議な搭・そこで幽霊のおじいちゃんと暮らす六年生の男の子の高校生までのお話で・、決まりきった生活を・人生を変えていくお話です。
日常の隣に魔界があり、搭にときどき、妖魔や魔道士や魔女、仮面の旅人そして幽霊となどが訪れる。
魔女にも初級・上級とあり、超上級の魔女が訪れる。超上級の魔女は人間界のことは、なんでも出来てしまう。高校生となった、龍神のクラスにスペインから転校してきたという女生徒・・・なんと超上級の魔女エスぺロスではないか?本当に超上級魔女はなんでも出来るのだ。これから3〜4とつづくお話が楽しみです。


きみ去りしのち
重松 清 著
文芸春秋刊
¥ 1524円
幼い息子を失った父親と、もうすぐ旅立ってしまう母を持つ娘の心の旅の本である。娘と母親は彼の別れた妻子で、生と死がこだまする巡礼の旅である.。
旅は死者を呼び出すというイタコのいる恐山から始まる・北海道奥尻島
この島は1993年にマグニチュード7・8の地震と津波におそわれおおくの人々が亡くなった、壊滅状態からの再生を見るための旅 ・
第一章から第九章からなり章ごとにさまざまな人々の生と死・苦しみと再生・人間とはかくも苦しみの中で生きているのか?悲しく重い、話が続く・・・・北海道の流氷・・春の花のまほろばの奈良・・イザナギとイザナミの神話の出雲・・日本の最西端、与那国のホスピス、ここで娘の母親は旅立つ・・最後は島原の精霊流し・・精霊流しは初盆を迎えたひとを精霊船に乗せて極楽浄土へお送りする行事・・精霊船が夜の海に浮かぶ情景がありありとうかび、見事な(結)です。
読む者も癒される章です。いつの日かこの本を持って、彼らがたどった旅をしてみたいと、思う。


くじけないで
柴田 トヨ 著
飛鳥新社 ¥1000円
素晴らしい本に出会いました。なんと1911年「明治44」生まれという百歳近い人のこの感性・・・毎日ページをめくり一日の糧をいただくことにしている。
そう彼女をお手本にして、お化粧をかならずする・一日を丁寧に生きる・空・風・鳥・雲・星・木々のささやきに耳をすまして自然の一員となって生きる。
実に素敵なお顔をしておられる、積み重ねてきた年輪の深さ、心の深さを感じる。人生の喜びや悲しみ、苦しみをのみ込んだ優しいお顔で(朝はかならずやってくる)という言葉が胸にじんとくる。
私の好きな詩・
★先生に
私を おばあちゃんと 呼ばないで 「今日は何曜日」 「九+九は幾つ?」 そんなバカな、質問もしないでほしい 「柴田さん西条 八十の詩は好きですか?小泉内閣をどう思います?」こんな質問ならうれしいわ。


エリンジャー城と魔法の鏡
広瀬 昌代 箸
サンリオ ¥ 1800円
お父さんの転勤で、ドイツの学校に通う、レイとミカ、の姉妹がブロッケン山で行われる、魔女の祭り『ヴァルブルギスの夜』にでかけ、思いかけず妖精界に・・
人間界と妖精界が鏡の表と裏のように、すぐそこ にあるという、楽しいお話です。この本を読むといつの日か、ブロッケン山で開催される、魔女のお祭りに、是非行って見たいと思う。
それほど魔女の世界が魅力的です。魔女にも試験があり、人間世界とおなじで、試験に受かって出世街道をいくか、落ちこぼれて、悪い魔女となるか?きびしい世界なのだ。
その妖精界に試験に受からない姉妹が、どんな願いも叶えてくれる魔法の鏡をもちだし、てんやわんやにレイとミカが巻き込まれるという楽しいお話・・寒い冬の夜長にぜひ読んで・・


劇団 四季
ミュージカル ウィキッド
お正月3日に大阪の四季劇場に・・森の中の我が家は年末の大雪がまだ残り、電車は大丈夫かいなーと気にしながら大阪へ、大阪駅のなんと変わりよう・・旧国鉄梅田貨物駅を再開発中という。
甲子園が二個入る区域にオフイスや商業施設、ホテル、マンションなど地上33〜48階建ての高層ビル4棟ができるという。そんな中に四季劇場はある。全面総ガラスの四季劇場はビルそのものが魔法の城である。劇場は7Fにある。
足を踏み入れて、驚いた。舞台上方には赤い目を光らせ、煙を吐き客席を恫喝するドラゴン、両側には、錆びたような柱、オズの地図の描かれた、だん帳がゆれる。
あの有名な童話「オズの魔法使い」のプロローグだろうか?ドロシーを導く”良い魔女”と、ドロシーと戦う”西の悪い魔女”が「ウィキッド」の主人公 エルファバ、生まれながらに緑の肌、のため、差別され、いじめられる。良い魔女となるグリンダと悪い魔女となるエルファバは「シズ大学」の同級生である。

良い魔女、グリンダとの友情・恋・権力との戦いの中で苦しい選択にも信念を曲げずに生きるために、悪い魔女とレッテルを貼られて いく、もう一つの「オズの物語」です。
大魔法使い(オズ)のセルフ・・「私が初めてオズに来た時、国中に不平と不満が渦巻いていた。そんな時には、恐ろしい共通の敵を与えてやればいいのだ」人々の不満をおさえ、国を平和に治めるために、敵を与える、人々は不満の理由を知って納得し、一丸となって敵と戦うという仕組みだ」。
何故か背筋が氷りついた、あの第二次大戦を思い出し・ヒットラーを思い出す。恐ろしい真実をファンタジーのベールに包み美しい音楽やダンスで見せながら、政治や権力についても考えさせらる、いくつものストーリーが何層にも重なっていて、見る人ごとに新しい発見のあるミュージカルだ。魔法にかけられるため、ぜひ劇場に足を運んで・・おすすめです。


親 鸞 上 下
五木 寛之 箸
講談社 \ 1500円
一人住まいの九十四歳の叔母が家の中で横転し、意識をなくした、まま亡くなり、死=ナッシングと思っていた私は、もしあの世が在るのなら、意識を無くしたまま、逝った叔母は、あの世とやらでどうして居るのだろうか?
もしかしたら、宗教小説の中に答えが在るのかもしれない、と思い読みだす。
なんと信仰の本質について、歴史について、楽しく教えてくれる小説です。比叡山はよく遊びにいく山だが、お坊さんたちにも身分や階級があり、学生・堂衆・堂僧として大変な修行があり、信じられないような修行のなかで仏に出会うという。
これから浄土宗・浄土真宗の違い、法然・親鸞・知恩院・東本願寺・西本願寺などについて知りたいと思う。この本は上下あるがその後の親鸞が新聞に連載中である。今年のカメレオンの関心は宗教だろうか?


ようこそ
断舎離へ
モノ・コト・ヒト、
そして心のかたずけ
とにかく物が多すぎる、これまで何度モノを捨て本をすててきたことか・・またまたモノがあふれ、本があふれている私には収納能力がないらしい。ならば捨てる?イヤ捨てても、モノを買い込み、本を買い込んでいる自分がいる。
この本に出会って、目からウロコである。断舎離とは、ヨガの断行・捨行・離行からきているという。執着を「断つ」・「捨てる」・「離れる」という行法哲学・実践哲学・
●モノは、入口でストップの「断」
●いらないモノは、捨てるの「捨」
●モノから離れて、かたずけから自由になるの「離」
入り口は小さく、出口は大きく。自分とモノとの「関係」に焦点をあてる、納得です。入口の「断」を実行すればいいのだ。なぜか出来るような気がする。今年こそ念願のシンプル・ライフを手に入れたい。でも一方で皆が断斜離をすれば・・日本の経済はどうなる?・・すでに心が揺れている。


2011年1月1日
年末の大雪で元旦も雪との天気予報で初日の出はだめかなーと思いながら眠りにおち・・外の明るさに飛び起る。一面真っ白な雪景色のなか、お日様が・・おもわず手を合わす。雪景色は大好きです。今年は良い年になるぞーいや良い年にするぞーと、祈る。
魔女の部屋トップ
|