魔女の部屋トップ


【カメレオン日記2009】・・・2009年に書いたものです。

ごゆっくりどうぞ・・・※日記は新しい順になっています


魔女のカメレオン日記

    ヘルタースケルター

          岡崎京子 作
世紀を越えた傑作
第7回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門優秀賞受賞
第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞
 
ヘルタースケルターとは?ビートルズの1968のアルバムにはいっている曲だそうだ。意味は遊具の滑り台、語句自体は(狼狽)・(混乱)とある。日本盤の対訳はしっちゃか、めっちゃか、という。まさにぴったりの題名である。

全身美容整形により完璧な美を手にいれ、芸能界で脚光を浴びる女優・モデルのりりこ・その偽りの美しさを維持するためには高額の治療費と危険な副作用に苦しむ・一人の女の子の落ち方を通して現代のメディア産業の非人間性やメディアにとらわれる欲望の果てしなさ・・

作者は本作品を発表後、交通事故に会い、入院したまま、いまだ再起していないようだ。続編のある終わりかたなので、是非復帰してほしい。とにかく読み応えのあるマンガです。マンガ?と思っている方、是非一読を・・


魔女のカメレオン日記

   子供の世話にならずに死ぬ方法

        俵 萠子 著

俵 萌子、懐かしい名前だ。彼女は私より少しうえで、いつも、女性の持つ難問を切り開きながら、先頭を歩き、女性達をひっぱっていく人であった。

二児を育てながらの共働き、そのころ社会は母親の就職にたいして批判的な意見が強かった、当時、彼女の明るく肯定的な共働き論はどれだけ同世代や後に続く世代が励まされたか・・私も彼女の共働き論に励まされ、また勇気をもらって、頑張って、今が有ると思っている。

その彼女がこの本を出して、黄泉の国へと旅立ったという。《老い》をどう生きるか?どうすれば介護不安を解消し、子どもの人生を巻き込まずに死ねるか?老後の自立を考え、5年にわたり約百ヵ所の 老人施設を取材・・さまざまな形のホーム・さまざまな老後・もう老後になっているのに、実感のなかった私にまた彼女は道を示してくれた。

しかし有料老人ホームの金額をみれば、どのホームにもわたしは、入れないと知る。今まで、健康であったわたしには、認知症・介護という認識が無い。でもこれから、どんな終末になるか?ある程度の骨組を立てねばと思う。又どおなるか、解らないのが、人生である。ならばケーセラ セラといこうか?いやいっそうの事、法律で死に方のパターンをいくつか定め、ある年齢になれば、この死に方にします、と契約する。保険証に記載される。安易な他力本願に逃げたくなる。そんな夢のようなことを思いながら、真剣に自分の終末を考えておかねばならないと思う。生産し、消費し、始末するのが人生というが、この始末が最も難しい。


魔女のカメレオン日記

    近江八景の幻影
    M・ダウテンダイ 著
     河瀬文太郎 
     高橋 勉   共訳
    琵琶湖の情念が生んだ
      愛のファンタジー

  矢橋の帰帆・唐崎の夜雨・三井の晩鐘・粟津の晴嵐・堅田の落雁・石山の秋月。瀬田の夕照・比良の暮雪とそれぞれの近江八景に託した幻想を八っの愛の短編小説である。

作者のダウテンダイはドイツの詩人で明治三十九年(1906)四月に来日し、四週間ほど日本に滞在したときの体験から生まれたとある。
しかも大津には京都から人力車で大津に向かい、唐崎、三井寺を訪ねたあと疎水を径由して京都に帰ったとある。なんとたった一日の取材でこのファンタジーが生まれるとは・・まさに詩人の感性なのだろう。

一話一話がまさに愛のファンタジーです。秋の夜長をゆっくりと、楽しみたい。近江八景は中国湖南省の 瀟湘八景になぞらえて選定され、古くから詩歌に詠まれたり絵画に描かれたりした琵琶湖南部の八つの景勝で、この本に収められている短編の表題がそれである。

一方琵琶湖八景は、第二次世界大戦後に滋賀県によって選定されたもので、瀬田石山の清流・比叡の樹林・雄松崎の白汀・海津大崎の岩礁・賤ヶ岳の大観・彦根の古城・安土八幡の水郷・竹生島の沈影の八つからなっている。


魔女のカメレオン日記

    魔法使いになる14の方法

    ダイアナ・ウィン・ジョウーンズ、
    フィリップ・ブルマン、
    ピーター・ヘイニング 他 著
    大友 香奈子 訳

アーサ王伝説のマーリンからハリー・ポッターまで、時代を超えて人の心をとらえている魔法使いの物語。新旧の14人の作家が『魔法』と『学校』をテーマにして書いた短編集。

社会魔法学・黒魔術基礎・催眠術・召霊術・幻影術・探索術・黒魔術実習・飛行術・召喚術・変身術・隠形術・黒魔術応用・遊魂術・夢見術。

一つ、一つの物語は魔法を信じる子供からそんな子供だった大人を楽しませてくれる。14人の作者の内4人しか知らないという私など、まだまだ魔法使いには成れないようだ。もっともっと勉強しましょう。


魔女のカメレオン日記
 
    のんのんばあとオレ
     水木 しげる 著

この本を読みながらなんど笑い声をたてたか、ガキ大将の迫力ある活躍ぶり、懐かしいあまずっぱい感情を覚える。

今はいない兄を思い出す。幼い私を子守しながら 戦争ごっこが始まると、待ったをかけて、私を家に帰れという。
わたしが嫌がると兄は<この戦いは立ちションが出来るものだけができるんや、>そのときの兄の顔がおもいだされる。又一生懸命立ちションを稽古したことを思い出す。

あの頃はガキ大将がたくさんいたなー、また幽霊や妖怪の話をしてくれる大人がたくさん居た。
 『私が妖怪の絵やマンガをかくようになったのは、子供のときに、近所に<のんのんばあ>というおばあさんがいたからです』と書き出しにある。

神仏に仕える人のことを(のんのんさん)というのでのんのんばあさんの略とのこと、今のんのんばーの役割はなんだろうーと思うと、今の子供達は学校と塾との勉強で、自然とともにオドロクことを味わえないのは可愛そうで不幸なことと思う。この本の世界はもお戻る事の出来ない、遠い昔のことになったのかも知れない。


魔女のカメレオン日記

   ぼくのつくった魔法のくすり
     ロアルド・ダール著
     宮下 嶺夫   訳
2005年映画化になった【チャ−リ−とチョコレート工場】の著者の作品てす。
とてもユニークでハラハラする内容になっています。

ジョージは、おばあさんと二人きり。
意地悪で、身勝手なおばあさんにジョージはとんでもない仕返しをしてやるのです。
いつも、おばあさんが飲んでいる薬……そうだ!新しい薬を作ってやろう!頭のてっぺんをドカンと吹き飛ばす魔法の薬を。
材料は単純明快、何でも使う!ジョージは大鍋を持って家の中にあるありとあらゆるものを大鍋に入れた、火にかけ煮つめて、冷ませば魔法の薬のできあがり!
ジョージの作った魔法の薬を飲んだおばあさんは、宙にはねあがり、目玉は飛び出し、髪は逆立っていた。しだいにおばあさんの背が伸びだした、じりじり伸びていき170p…180p…どんどん伸びてとうとう天井、家の屋根まて突き破るほど伸びてしまった!

私では考えつかない発想で、読んでいると子供の頃に戻ったような気持ちにさせてくれる、もしかしたら私にも作れるんじゃないだろうか…


魔女のカメレオン日記

      命といふもの
      
      堀文子 画文集
 月二回出版されるサライがくると、わたしはまず末巻にのる『命といふもの』をみる。なんという名文、神は不公平だと思う。絵とエッセーが見事にはまっていると、天はニブツを与えずというが嘘だなーと思う。

見たもの、感じたことを、ずばりと的をえた言葉を文にする才に、ただ脱帽するばかりです。70歳で単身イタリアで5年間も暮らし、81歳で青いケシ、ブルーポビーを求めて、標高4500mのヒマラヤへ・ボンベで酸素吸入しながら花に出会えたという・・この前向きな生き方は、人生の師として是非とも見習いたいと思う。


魔女のカメレオン日記

  『ひとり時間』のススメ
   中山庸子 著
自分磨きをすれば、ひとりがサマになる!いい女になるための50のステップ と帯にある。

この本はこれからの若い女性に薦めるよりも、高齢の女性・一人暮らしで一人では、何も出来ない人・・ひとりでは映画にいけない・喫茶店にはいれない・れすとらんに入れない・

そんな女性に是非この本を読んで自分らしいスタイルを持って、気ままに行動する楽しみを知ってほしいと思う。きっと人生が開けてくると思う。


魔女のカメレオン日記

魔法があるなら
    アレックス・シアラー 著
      野津智子=訳

作者はシナリオライターで、映画(奥様は魔女)の作者という。

物語はイギリスでも高級なデパートにホームレスとして住んでいた、二人の幼い子供と少し能天気な若いママがなぜデパートで住むなどという、とんでもない事になったのかなぜ、そのままデパートで暮らし続けらけられなかったか?物語は警察の取調室で語られる。

小さな女の子の目線で話が進んでいくデパートで暮らすとは、具体的にどんなふうに生活するのか?デパートに住むなんて、とても考えられない、と思うのだが、さすがシナリオライターでストーリー展開の巧さ、語り口の楽しさ、つい引き込まれてしまう。

今、日本でも職を失えば、そく住も失い、公園でテントが張られるというニュースが流れている。親はいないのか?兄弟は?友人は?親戚は?とおもう。親子の情愛や、家族の絆のたしかさや、正しいことを最後まで貫く事の大切さや、あわただしく生きる私達に問いかけている。ラストシーンは微笑ましい。


魔女のカメレオン日記

     ユタと不思議仲間たち
        三浦哲郎 著

劇団四季の舞台が懐かしく、原作を読み返す、都会育ちの少年が故郷で自分を鍛える物語です。突然の事故で父親を失った勇太少年は東京から母親の故郷へ転校してくる。

モヤシっ子といじめられる勇太の前に姿を現し、彼に力を貸すのが座敷わらしといわれる妖怪です。座敷わらしとは、その昔、大飢饉で間引きされたために成仏できずに無邪気な怨念をいだいてこの世をさまようっている子供達。

この物語では九人の個性豊かな座敷わらし達の明るく楽しいお話で・・本も楽しいのですが、舞台も素晴らしい演出で、九人の座敷わあらしのキャラクターが素晴らしく、もう一度見たいと思うのと、こんな妖怪がいるのなら、是非とも会ってつきあって見たいと思う、東北にでかけ、古びた旅籠の離れに泊まってみたいと思ってしまう。しかしわたしのような大人の前には姿を見せてくれないのかも、しれない。



魔女のカメレオン日記

   持たない暮らし
          下重 暁子 著
 物があふれている部屋でこの本を読む・・今までなんど、物を捨て・本を捨ててきたのだろう。でもまた、ものがあふれている。年をとり、体力、気力が萎えた今、わたしはこのまま、死んでいこうと、思う。

残された者たちの難儀は思うまい。いままで私が夢みた、持たない暮らしを実践している人がいる。羨ましいかぎりである。物欲の奴隷となりさがった身は本当の自由を手にいれるために、自分と闘わねばならない。

あの良寛のように一切の執着を断って、一鉢・一衣の生き方に憧れるが・・自分にはできないだろう。せめて物を少しかたずけて、心を自由に遊ばすことを、夢想しましょう。


魔女のカメレオン日記

   トロカデロ
 デモンテカルロ バレエ団

スゴイ男たちが贈る最高のプレミアムステージ!

バレエ好きではないが、気になっていた、バレエ団である。近くに来演とのことで、見に行く。 老若男女満席である。人気の高さを知る。

創立35周年・日本公演25回目とのこと、伝統的なクラシック・バレエをパロディー化し、娯楽性の高いパフォーマンスで、クルクル回ってみせる回転技・マイケル・ジャクソン気取りでムーンウォークをするバレリーナ・自分の倍ほどもある長身のバレリーナを必死で支えるパートナー・何度も生き返る瀕死の白鳥など、笑いやウイットにとんだジョークまで盛りだくさんで、本物のバレリーナも羨む(胸毛以外)美しさがゴージャスにきらめき、高い技術がダイナミックに繰り広げられている。




舞台を見ずに彼らを単なる女装バレエ団と思っている人、是非観ることをおすすめする。久しぶりに楽しい舞台でした。




魔女のカメレオン日記

元気がでる魔法の口ぐせ
  中井俊巳 文 薮内玲子 絵

心が萎えたとき、傷ついたとき、元気を出したいとき、パラパラとページを開けば、かならず元気のでる言葉に出会える。

言葉のパワー 大丈夫、なんとかなる。 気楽にいこう、ダメでもともと。70点でOK。口くせにすれば、元気になる。とある 小さな、うすい本なのでいつも、そばにおいて、こころの友にしたい。


魔女のカメレオン日記

   アフリカの瞳
   帚木 蓬生
読書サークルを主宰し、精力的に本を読んでいる,友人からこれは是非読んでと渡される。彼女ほど読書力のない、わたしはサークルに誘われても仕事を隠れ蓑に逃げている。でも渡された本は気をいれて読む。

わたしの好むファンタージとちがい、この本はなんとも重い。 十人に一人がHIVに感染しているといわれる国 南アフリカ・アパルトヘイトは撤廃され、民主的な国になったと思っていた国・・この本を読むと、考えさせられるところが多い。

アフリカは多くの国が独立を果たした今も、人々はなぜかくもひどく貧しく、暗黒大陸のままなのか?白人支配の時は教育の機会も限られたであろうと、理解できるが、黒人政権に移行した今、どんな言い訳も成り立たないはずだ。

エイズは男女のセックスと母子感染が主な原因であるという。この春世界中で流行したインフルエンザのように空気感染なら、どんなに大騒ぎになったか?やはり教育が優先であり、特に女性の性教育は最優先であると感じる。
彼女が付けた付箋の箇所を書き出してみると、なとも恐ろしく、大きなくもの巣に絡めとられた感がする。

『軍事産業がそうだったろ。戦争が時々起こってくれないと、彼らの商売は上がったりになる。製薬会社も同じで、新たな病気が出て来ないと商売がじり貧になる。ひとつの病気を克服しても、また別の病気が発生するのは、ひょっとしたら彼らの仕業かもしれないと疑いたくなる。 エイズがそうだとは言わないがね』

『新規の病気でなくとも、病気のインフレーションを作り出して、病人を増やす手はある。』
『高血圧症がそうだな。15年前までは、高血圧といえば、収縮期血圧が百六十、拡張期血圧が九十だった。それが次第に厳しくなって、正常値は上が百三十で下が八十になってしまった。正常値を少しばかり上げ下げすることになって、何千万、何億人もの患者を造り出せる。コレステロール値にしても、中性脂肪値にしてもそうだ。錬金術のようなものさ』主人公の医師と友人の医師の会話である。



魔女のカメレオン日記

  一日一生
  
  天台宗大阿闍梨
  酒井雄哉

約7年かけて約4万キロを歩く荒行[千日回峰行]を80年・87年の二度満行をした現代の生き仏と称される、酒井雄哉・大阿闍梨の自分の人生を語りながらの慈雨の言葉集である。

一日を一生と思って生きる、今日の自分は今日でおしまい。明日は新しい自分が生まれてくる。今日失敗したからって、へこたれない、落ち込まない、明日は新しい自分が生まれてくる

それには今日を、今していることを、一生懸命、忠実にやることが、明日につながる。温故知新とはふるきをたずねてあたらしきを、しる。人は『何をしにきた』 『何をすべきか』という宿題を仏様から授かって生きている・・やさしい言葉で諭されると心癒され、今日頑張ろうと思う。この本は聖書のように枕元におき、朝・夕に手にとることを薦めたい。


魔女のカメレオン日記

 魔法の夜に囚われて

スーザン・キャロル 著
      富永 和子訳
 
舞台はイギリス西南の端に位置するコーンウォール、イングランドでありながら、なぜかケルトの文化園でウェールズやアイルランドと共通のケルト文化が今も残っているという、この地に建つレジャー城を舞台に魔法やゴーストが鮮やかに息づく神秘主義と、魅力的な伝説が巧みに織り込まれた、せつなくも美しいラブストーリを紡ぎだしている。

ミステリアスな力を持つ不器用な男とこの世に理性で説明できないことなどひとつもないと、固く信じている聡明な女が結婚したら?久しぶりに本に引き込まれ、睡眠時間がなくなる。たっぷり時間のあるときに読み始めて・・是非一読を・・


魔女のカメレオン日記

  朗読者
  
  ベルンハルト・シュリンク 著
          松永 美穂 訳

戦争を知らない世代が書いた戦争の本、戦争犯罪と責任の問題について、教科書的でなく、あなたの愛した人が戦争犯罪者だったらどうしますか?という問いかけは、世代を超えて大きなインパクトをもつ。

現在ドイツでは、学校の教材としてつかわれ、解説書も出され、さまざまなホームページで『朗読者』についての討議の結果が公開されているという。前の世代が犯した戦争という過失を見つめ続け、二度と同じ過ちを犯してはならないと思う。

15歳の少年と彼の母親のような年齢の女性との恋愛、女性が戦犯として裁かれていく,過程・・そしてその物語についての判断は読者に委ねられている。二度三度と読みこみたいと思う。日本でも裁判審査員制度が始まる本当に心しなければならないと思う。題名である《朗読者》とはどんな意味をもっているのか?ぜひ読んで欲しいと思う


魔女のカメレオン日記

 ライオンと魔女
  C.S.ルイス 作
   瀬田貞二 訳
人間の世界とはまったく異なる空想上の国、ナルニア。その誕生から滅亡までを、偶然にナルニア国にやってきた子供達の冒険を通して、空想力豊かな壮大なファンタジー・・・全七冊という長編の空想物語だが、全編読んでみたいと思う。なによりも登場人物の個性がはっきりしている。ここに出てくるビーバーさん夫婦・・ビーバーさんの用心深さ、奥さんの家事好き、そしてなによりも二人に共通する暖かい思いやり、大切な事を教えてくれている。


魔女のカメレオン日記

 駆け出し魔法使いとはじまりの本
       ダイアン・デュエイン
         田村 美佐子 訳
本の帯に<ハリーーポッター>の次に読む本とある。主人公は13歳で、本好きの女の子ニータ、ある日彼女は、いじめっ子たちに追われて逃げ込んだ図書館で、『魔法使いになるには』という本に出会う。

この本がほんものの魔法使いになるための方法を書いた教科書だったのだ。そしてその夜、半信半疑のまま『魔法使いの誓約』文言を唱えた彼女は、翌朝

自分の名前が本の中の<ニューヨーク市近郊在住の魔法使いリスト>のページに記されていることに気ずく。この世界に魔法があることを知り、運命が動きはじめる。

魔法世界が日常から切り離された別世界でなく、ひとたび魔法に触れた目で眺めると、街のそこかしこ魔法使いの暮らしが隠されていることがわかる。そしてその後、その教科書を骨董市の古本のコーナーで手に入れたという男の子キットと出会い、彼の助けを借りながら、いじめらlれっ子に奪われたボールペンを取り返す呪文を唱えるのだが・・・


魔女のカメレオン日記

    冥途のお客
      佐藤愛子 著
友人が面白いよ、と・・この手の本はあまり読んだことがない。霊体質とそうでない人がいるという。愛子さん自身、霊体質で、さまざまな体験をしている。

地獄、天国を信じ、勉強して、取材して書かれたこの本・・読んでるあいだは・・怖いなーうんあるかも知れないと思っているが本を置けば忘れてしまいそうだが・・あの世つまり四次元世界では幽界、霊界とがあり、その上に神界があり上・中・下と三階層に別れていて人が死ぬと幽界の下層にはいり、魂の修行を積んで、上にあがっていく、いつまでもおなじところにいる魂もあり、上部までいくとその上に霊界があり、そこも又、三階層にわかれている。

また幽界の下には暗黒界『地獄)がある。幽界の最上階は俗に『天国』といわれている所だという。天国から更に霊界に上がらなければならない。霊界に入ると現世の記憶『幽界にいる時はあった)は消失し、楽しさも喜びも何も感じなくなる。完全浄化とはそいうことをいうのであろう。霊界の中段から上段に上がっていくと、ただ丸いふわふわした球のような形になって、宇宙の真理、愛を理解するようになり、濃厚な満足感に包まれるという。霊の中にはいつまでも幽界の上段に止まっている人(魂)もあるという。私も願わくば現世と幽界の上段でゆらゆらとだだよっていたいと思う。

後書きにも書いてある、『肉体は滅びても魂は永遠に存在する。』・死ねば何もかも無に帰すと思っている人たちに解ってもらいたいとある。


魔女のカメレオン日記

魔女と魔術師
     光の輪トリロジー 1

     ノーラ・ロバーツ著
      柿沼瑛子=訳
12世紀のアイルランド、若き魔術師とヴァンパイアの女王リリスの対決で始まる。双子の弟キアンをリリスに奪われ、復讐に燃える魔術師はリリスを倒し、ヴァンパイアにされた弟を救い出そうとしますが失敗して負傷する。

そこに女神モリガンがあらわれ、リリスがヴァンパイア軍を牽いて人類を滅ぼそうとしていること、女王と戦うあと5人の戦士たちを集めて<輪サークル>を形成するのが彼の使命であると告げます。そのためにはまず21世紀の未来に飛んで、今なおヴァンパイアとして生き続けるキヤンを探せと命じられる。

かくて現代と過去、ニューヨークとアイルランドにまたがる壮大なファンタジーが始まる。十二世紀の男性と二十一世紀の女性という、ふつうならあり得ない年の差900歳(?)というカップルがくりひろげる大ロマンです。ロマンスの女王といわれる、この作者の面目躍如というところです。<光の輪トロジー2・3>がほんとに待ちどうしい。


魔女のカメレオン日記

  マーリン 1・2
  魔法の島フィンカイラ 
    T・A・バロン著
    海後 礼子 訳

 マーリンはアーサー王の養父であり、アーサー以前からのマーリンの物語で、
史上最大の魔術師マーリン伝説の始まりの本である、記憶を失った子供と若い女が筏にのり、嵐によってうちあげられたことから話ははじまり、

自分が何者であるのか?に悩み、また一緒に住む女が母親なのか?に、悩み、また自分の中に偉大なちからがあることを知り、そのことにより目を失うこととなり、自分探しのため、また筏にのり海にのりだす、自分がどこから来たのか?潮の流れに身を任す。
流れついた島でさまざまな出来事のすえ、自分を見つけるというお話である。ここから始まるマーリン伝説は、これからが面白そうです。ファンタジーの流れが解って来る。


魔女のカメレオン日記


独学 魔法ノート
岡崎禎久 作

独習・独学は大好きなので、つい魔法が独習出来る?魔法独習書と思いこみ・読み始めると、なんとも奇妙なお話なのだ。

ちょっと現実離れした現実が陽炎の様にゆらゆらと揺れながら日常と隣りの別世界ガ交差しながらお話が展開される。魔法使いになるには、やはり生まれながらのある特質が必要のようだ。

魔法によって物事を考え、魔法によって世界を見る、魔法使いになるためにはひたすら修行あるのみ・・とある???


魔女のカメレオン日記

映画[MANMA MIA!]
    マンマ・ミーア!

何年か前、劇団四季で見て、感動し元気をもらったことを思い出し、さっそく見に行く
舞台のミュージカルが映画ではどのように表現されるのか?見る前からわく わく です。

1999年のロンドンでの初演以来、全世界170都市以上で上演され、ロングラン・ミュージカルが映画化された。製作・監督・脚本・主演、すべて女性というのも、珍しい。脚本家のキャサリン・ジョンソンによると、07年代爆発的に人気のスーパーグループABBAの歌を使ってストーリを綴ったら面白いだろう、との発想から、マンマ・ミーアは生まれた、という。

舞台は、愛の女神アフロディテの泉の伝説が残るギリシャの小島。主人公は、小さなリゾウート・ホテルを経営するシングル、マザーとその娘。父親を知らずに育った娘の夢は『結婚式で、パパと一緒にヴァージン・ロードを歩くこと』そこで父親探しを始める。

そのてんや・わんやを『マンマ・ミーア』・『チキチータ』・『ダンシング・クイーン』となつかしいABBAのナンバーにのせて、<愛と絆の物語>が笑いと涙で綴られる。

『若き日の過ちは癒され』 
『人生は素晴らしい』と叫びたくなる。

又物語が終了すると、70年代のABBA風コスチュームで登場した出演者たちがABBAナンバーを披露する、舞台ならアンコールに当るだろうか?楽しい場面でエンディング。


魔女のカメレオン日記

魔法使いの
  チョコレート・ケーキ

  マーガレット・マーヒーお話集
         石井 桃子 訳
やぼようで行った市役所の支所で待つ間に待会においてある本棚で懐かしい
訳者の名前におもはず手に取った本だ。貸し出しもしている、とのことで借りて
かえる。

クマのプーさん・ピーターラビットのお話・ノンちゃん雲に乗る・・今の私の本好きは彼女から貰ったように思う。やはり子供には読書の楽しさを教えなければと思う。
家に遊びにきた子供達がそれぞれゲームに夢中になっている姿は異常である。この本には九つのお話とニュージランドのクリスマスという詩が訳されている。

あとがきに訳者の好きなお話を訳したと、あり、また作者とも親交があり、ニュージーランドに住む作者を訪ねたときのお話なども書かれていて、ほのぼのした気持ちになりました。久しぶりにクマのプーさんやピータラビットに会いたいと思う。


魔女のカメレオン日記

ニューヨークの魔法使い
シャンナ・スウェンドソン 作
小泉 敦子        訳

現代のニューヨークを舞台にした魔法版【ブリジット・ジョーンズの日記】
テキサスの田舎からニューヨークに上京してきたケイティ。

宙に浮いた妖精、耳の尖ったエルフ、羽の生えた天使。ニューヨーカーたちには見えないものがケイティには見えている。それ以外は極平凡な生活を送っていたが、1通の奇妙な求人メールでケイティの日常は平凡とは対極の方向へと転がっていく…。

20代の女性たちが恋や仕事に悪戦苦闘する日常を描いた物語。
同世代の方には共感できる物語ではないだろうか!
シリーズ第二作【赤い靴の誘惑】こちらも面白い内容となっている、お楽しみに


魔女のカメレオン日記

魔法にかけられて
    ジャスミン・ジョーンズ 作
          橘高 弓枝 訳

ディズニーアニメのキャラクターをおとぎの世界から現代のニューヨークへ、 白雪姫・シンデレラ・眠れる森の美女・ガラスの靴・毒リンゴ・魔法の鏡・とおなじみのキャラクターや小道具をおもわせる、古きよきディズニーのおとぎ話の現代版のファンタジーです。

おとぎの世界の魔法王国、アンダレーシアで暮らす心やさしいジゼルは、ハンサムな王子と恋におち、その日のうちに結婚の約束をします。ところが結婚式の当日、邪悪な魔女にだまされ、世にもおそろしい世界に追放されてしまいます。

”おそろしい世界”とは現代のニューヨークでした。そこで出会う男性が離婚を担当する弁護士で、彼自身6歳の女の子をつれて離婚している。愛を信じない男となによりも愛を大切にする女の夢物語です。これは先に映画を観たいですね。


魔女のカメレオン日記

魔女とカルトのドイツ史
        浜本 隆志 著

カルト『狂信的崇拝』集団による事件は、理解しがたい謎であるが、中世ドイツにおける一連の事象・(ハーメルンの笛吹き男)伝説は、130人の集団失踪事件・『子供十字軍』・『異端審問』・『舞踏病』・『鞭打ち苦行』・『死の舞踏』が検証され、魔女のルーツが語られ、魔女狩りの嵐が吹き荒れた後、集団妄想・・パニックが発生したときには、弱者を攻撃するという人間の群集心理が、時代が変わっても何度も何度も、繰り返され、20世紀のヒットラーの熱狂へとつながり、人間の弱さ・醜さ・を嫌というほど教えてくれる。

集団妄想事件は日本でも、起きた、あのオウム心理教事件も、カルト集団に取り憑かれた若者が引き起こした事件であった。これからも起こりうることでしょう。
歴史書となると、やはり肩がこる、やはり楽しいファンタジーがいいですね・・・


魔女のカメレオン日記

魔法使いハウルと火の悪魔
  [ハウルの動く城1]
ダイアナ・ウイン・ジョーンズ作
西村じゅんこ 訳

話の主人公は魔法が本当に存在する国インガリーで暮らす、帽子屋の長女ソフィー、店にやって来た[荒地の魔女]に呪をかけられ、おばあさんにされたソフィーは家を出て、魔法使いハウルの城に掃除婦として住みつきます。

暖炉にいた『火の悪魔』カルシファーと話しあい、自分にかけられた呪を解いてもらう代わりに、カルシファーとハウルを助けることになります。ひとつの扉から四つの場所にいける不思議な城で暮らす間にソフィーはみえっぱりで、うぬぼれやの、ハウルに恋をします。

この話はスタジオジブリが宮崎駿監督によりアニメーション映画『ハウルの動く城』の原作です。初版時には<空中の城>というシリーズ名でしたが、映画化とともに、原作のほうもシリーズ名を<ハウルの動く城>となったそうです。あなたは本を読んで、映画を観ますか?または映画を観て、本を読みますか?本当に楽しい本です。


魔女のカメレオン日記

アブダラと空飛ぶ絨毯  [ハウルの動く城2]
ダイアナ・ウイン・ジョーンズ 作
西村じゅんこ 訳

魔法使いハウルと火の悪魔の姉妹編です。物語はバザールで絨毯を商っていた若いアブダラは、怪しげな男から空を飛ぶ魔法の絨毯を手にいれます。

この絨毯の上で眠りこんだアブダラは、不思議な庭園に連れて行かれ、そこで美しく、賢い(夜咲花)と出会いこの姫君と恋におち、二人で駆け落ちしようと、した矢先 <夜咲花>が何者かにさらわれます。

姫君を探しているうち <魔法使いハウルの動く城>の舞台となったインガリー国>に移り、うさんくさい兵士や、ビンの中の精霊が探索に加わり、インガリーの首都キングズベリーに着き、そこで王室つき魔法使いから力を借りるつもりでしたが、その魔法使い(ハウル)は行方不明。アダブラはハウルの妻ソフィーと空中の城にむかうことに・・・あとは読んで・・・


魔女のカメレオン日記


夢をかなえるゾウ
      水野敬也 作

お正月に遊びにきた、6年生の孫が読んでいる本で、面白いから読んでみて・とわたされる。かるく、ノベルふうの本だろう、と思っていたが、なんと150万部も売れ、テレビ化され、映画化されるという。
また若いサラリーマン達の早朝の勉強会でこの本がつかわれると、いう。ガネーシャという人間の身体と、象の頭、四本の腕を持った神様が今の自分は嫌だ!変わりたい!と願った若者に変わるために、一日ひとつの課題がだされる。それはほんとうに簡単なことである。

この本は、若者に是非読んで欲しい。6年生がこの課題を見事にこなして成人したなら??期待しましょう。
ガネーシャとは・・・
人間の身体と象の頭、四本の腕を持ったインドの大衆神。障害を取り除いたり、財産をもたらしたりするといわれる。また、徹底的な現世利益の神としても知られている。インドでは人々に最も親しまれている神様です。


魔女のカメレオン日記

  魔法人形  『少年探偵十七』
        江戸川乱歩  
なんと懐かしい本に出会いました。1957年(昭和32年)貧しい時代でした。月刊誌を買ってもらえる人は何人もいません、クラスに一人かふたり (少女クラブ)をもってくる生徒がいた。

(彼女の家の職業)がなんであったか?思い出せないが、彼女はその日ヒイーローだった。 今、文庫版として全26巻が出揃っている。全巻 手にいれることができる しやわせを、かみしめている。ゆっくりと楽しみたいと思う。


魔女のカメレオン日記
 
  魔女と聖女
  ヨーロッパ中・近世の女たち
池上俊一 著

これはヨーロッパ中世・近世の女性史である。この魔女と聖女は、一見両極端でかけはなれたものだが、彼女たちは裏表の関係にある。

わずかの差で聖女が魔女に転落することもあり、聖女と魔女が同時に生み出された背景はなんだろうか?魔女は農村に生まれ、聖女は貴族の出が多い。

つまり貧富の差で魔女であり聖女となるのだ。古代キリスト教の固有の女性軽視と女性崇拝は、さまざまな差別を生み出す。魔女はなぜ生まれたのか?魔女狩りがフランス・ドイツ・イングランド・スペインとヨーロッパ中で熱狂的におこなわれて、数多くの女性が火刑台の露と消えたのは、十六・十七世紀を中心とする時代である。
人間は遅々としか進歩しないのだと、思いしらされる。


魔女のカメレオン日記

 オドの魔法学校

パトリシア・A・マキリップ
         原島文世 訳
世界幻想文学大賞・ミソピーイク賞・ローカス賞など、ファンタジー関連の賞にノミネートされているという。

数百年も昔に、謎の女魔法使いオドが設立した魔法学校、今では国王直属の機構として厳格に管理されているその場所へ、オド本人から依頼を受けて若者が庭師としてやって来る。

又その頃、黄昏区という繁華街に魔術師の一座がやってくる。その若者は自分が持っている魔力の力を自覚していない。許可されていない違法な魔法を持っているとしたら・..また国王の娘、女王までも禁じられている魔法を持っているという。庭師と魔術師、二人の危険人物に対して国王を頂点とする体制側の対応が面白い。幻想文学大賞はぴったりだ。

魔女のカメレオン日記

2009 1月1日
今年は曇りで、かすかな、薄明かりで、日の出をイメージして手をあわす初日の出となる。今年は牛の年で、牛のごとくのんびりと、スローにと願う。









魔女の部屋トップ